この記事の要点
- 1.手数料率の高低だけでは、事業に残る利益は決まらない。計測漏れや改善の遅れがあれば、率が安くても利益は減る。
- 2.比べる項目は5つある。費用の内訳、受注までの計測、改善履歴、データの所有権、90日後に変わる状態。
- 3.切り替えを決める前に、現行契約と権限と計測を棚卸しし、いまの代理店へ改善を依頼するほうが事故が少ない。
手数料率と、事業に残る利益の関係
広告代理店の比較で最初に目につくのは手数料率です。しかし、手数料が低くても、計測漏れや改善の遅れで獲得単価が上がれば、事業に残る利益は減ります。反対に、手数料が一定でも、無駄な配信を止め、商談につながる問い合わせを増やせるなら総利益は改善します。
見るべき式は「広告費+手数料」だけではありません。受注粗利から、広告費、手数料、社内で使う工数を引いた金額まで含めて比較します。
総利益で判断する5つの基準
手数料率の比較を、次の5つに分けて確認します。どれも契約前に質問すれば答えが返ってくる項目です。
1. 費用の計算方法が明確か
手数料率、最低手数料、初期費用、LPやバナー制作費、計測設定費を分けて確認します。「運用費に含まれる作業」と「別料金の作業」が曖昧だと、改善を依頼するたびに追加費用が発生します。
集客職人の運用手数料は月額広告費100万円以下が20%、101万〜500万円が15%、501万円以上が10%で、最低手数料は月額10万円です。比較するときは、広告費と作業範囲を各社でそろえてください。
2. 問い合わせではなく受注まで計測できるか
フォーム送信数だけを最適化すると、商談にならない問い合わせが増えることがあります。広告、キーワード、LP、問い合わせ、商談、受注を同じIDでつなぎ、媒体へ有効商談や受注の情報を戻せるかを確認します。
少なくとも、次の項目を月次で確認できる状態にします。
- チャネル別の問い合わせ数と有効問い合わせ数
- 予約率、商談化率、提案率、受注率
- 受注粗利を基準にした許容CPA
- 計測できなかった件数、重複、スパムの件数
3. 改善内容と意思決定の履歴が残るか
「最適化しました」だけでは検証できません。何を、なぜ変え、どの指標で成功を判断するかが記録されている必要があります。週次の変更履歴と月次の仮説検証が残っていれば、担当者が変わっても改善が止まりにくくなります。
4. 契約終了時にデータを持ち出せるか
広告アカウント、タグ管理、GA4、検索データ、クリエイティブ、LP、レポートの所有者を確認します。自社が管理者権限を持ち、契約終了後も履歴を閲覧できる契約が安全です。
5. 90日後に何が変わるかで比べる
乗り換えの目的を「手数料を下げる」だけにせず、90日後に何が変わるかで提案を比べます。計測の欠損をなくす、無駄な配信を止める、商談の質を見えるようにする、社内報告の時間を短くする。どれを達成条件にするかを数値で決めてください。
乗り換えを判断する順番
すぐに代理店を切り替える必要はありません。まず現行契約、アカウントの権限、計測の状態、直近3か月の変更履歴を棚卸しします。そのうえで現代理店へ改善を依頼し、期限までに進まなければ相見積もりへ進む方が、引き継ぎ事故を抑えられます。
手数料率は判断材料の一つにすぎません。受注までの計測、改善の速さ、データの所有権を含めて、事業に残る利益で判断してください。
よくある質問
広告費が月50万円未満でも診断できますか?
セルフ診断は利用できます。代表による個別診断は、広告を出稿中で月50万円以上の方を優先します。基準に届かない場合は予約カレンダーを表示しません。
診断後に契約を求められますか?
診断は現代理店へ改善を依頼する材料としても使えます。個別診断の対象でも、契約を前提にはしません。

